地下室は、限られた敷地において床面積を確保する上で有効です。
特に、三階建てが建てられないエリアや斜線制限により三階部分の床面積が確保しにくい敷地などでは、地下室のメリットは大きいかもしれません。
地下室は延床面積の1/3を上限として容積率に算入されない点もメリットのひとつです。
ただし、地下の緩和を受けるためには、地下室の天井面が地盤面より上に出ている高さが1メートル以下であることや住宅として使用されることなどをクリアしなければいけません。
では具体的にどのようなメリットがあるかというと、防音性と耐震性の二つが挙げられます。
地面の下つまり外気に触れにくい空間であるため音が外部に漏れにくく、大きな音を出すような空間や逆に外部の騒音を避けた静かな空間を希望される場合に有効です。
また、地下室は鉄筋コンクリート造となるため、地下室全体が基礎の役割も果たします。
地面深くまで鉄筋コンクリート造の基礎構造体が入っているので、耐震性能も上がります。
ここまで書くとメリットだけしかないと思われるかもしれませんが、もちろんデメリットもありますので、十分注意が必要です。
デメリットとして最も注意しなければいけないのが、雨水と湿気です。
その土地が川に近かったり、低い場所の場合、大雨の時に雨水が地下室へ侵入する恐れがありますので、必ずハザードマップを役所(行政機関)で入手して確認してください。
また、地下本体は鉄筋コンクリート造となるため、コンクリート内の水分が蒸発するまでに長い時間を要します。
そのため、湿気を外部へ逃がすように換気(窓開け)をしっかりと行わないと室内にカビが発生してしまいますので、この点も注意が必要です。
特に地下に収納スペースがある場合には、しばらくの間湿気取りを置いておくと良いでしょう。
それよりも前に、地下室をつくる場合に建設費が大幅に増えることを念頭に置いておく必要があります。
多かれ少なかれ地下室をつくるということは、その容積分の土壌を処分することになり、処分費がかかります。
地下室は鉄筋コンクリート造となるため、型枠、鉄筋、コンクリート、防水をはじめとする様々な業種の工事が行われるため、工事期間と工事費がかかります。
さらには、計画道路に指定されているエリアでは、そもそも地下をつくることが不可であるので、この点も事前に調べておく必要があります。
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