​住まいづくりコラム#32「住宅密集地の窓」

住宅密集地では、採光と通風のために設置する窓の大きさと位置について十分な配慮と検討が必要です。

民法上、外壁面は敷地境界から50センチ以上離すことになっているので、少なくとも隣家との距離は1メートル以上ということになりますが、それでも採光はほとんど期待できませんし、隣家の窓の位置や大きさを考慮しておかないと、窓を開けたらお隣さん家の窓が正面にあるなんてことになりかねません。

一方で、住宅密集地では防火地域や準防火地域に指定されているエリアが多く、延焼の恐れのある部分(1階部分は敷地境界から3m、道路の中心から3m、2階部分はそれぞれ5m)にかかる窓(サッシ)については防火設備と呼ばれる高いグレードの窓(サッシ)にする義務があるため、窓の数が多いほどコストもかかってしまいます。

したがって、窓の数は極力絞って効率の良い採光と通風の確保が出来る間取りが住宅密集地では重要になってきます。

住宅密集地といっても、たいてい建ぺい率が50%か60%ぐらいなので、建てられない残り40%~50%を有効に活用して、接近して建っている隣家から距離を取った外部空間(中庭や坪庭など)に面した窓から採光と通風を確保したり、天井の高い吹き抜けを設けて窓を吹き抜け上部に設ける手法が効果的です。

さらに、外壁面の窓だけではなく天窓(トップライト)を設けることも住宅密集地では有効です。

また、外壁面に設置する窓でも壁際に縦長のスリット窓や、天井際に横長のスリット窓を設けることで、壁面や天井面に光が当たって広がり、窓の大きさ以上の明るさが確保出来る効果があると同時に、プライバシーとセキュリティの面からもいいのではないでしょうか?