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​住まいづくりコラム#7「窓は多ければいい?」

住宅の設計で多くの時間をかけるのが、窓(開口部)の位置と大きさです。

・内部からどう見えるか?

・外部からどう見られるか?

・光はどのように差し込んでくるのか?

・風の通り道はどうなるか?

図面、模型、CGで検討を重ねて決定していきますが、

よく建築主さまからは、

「窓は多く、特に南面の窓は大きくしてほしい」

という要望をいただきます。

しかし、窓は多ければ良いというものではなく、また大きければ良いというものでもありません。

住宅街を歩いていてよく見かけるのが、南側に大きなはきだし窓があるのに道路から丸見えになってしまうせいか、レースのカーテンで日中締め切っている家や、西日が当たるところに大きな窓がある家、そして隣家が接近していて採光が期待出来ない外壁面に沢山の窓がある家などです。

大きな窓があれば、そこから太陽の光が入って明るいですし、外の景色や空が見えていいかも知れませんが、裏を返せば直射日光が強烈に入ったり、外部から中を見られるということにもなります。

 

また、窓があちらこちらにあると落ち着かないですし、空間に明暗がなくメリハリのない住まいになってしまいます。

庇や目隠しルーバー(格子)を付けたり、開口部を極力絞って横長や縦長のスリット状の窓を外部からの視線とずらした天井や壁の際にもってくるだけで全然違ってきます。

絞られたスリット状の窓から入った光が壁や天井を当てて、その光がまわって空間全体を柔らかく包み込みます。

特に防火指定のある地域(防火地域や準防火地域)では、開口部の延焼防止を目的とした防火設備(防火戸)という通常の建具(アルミ製や木製のサッシ)よりも高性能(高価)なものにしなければならないケースが多いので、開口部が多ければその分コストが余計にかかってしまいます。

以上のような理由から、「窓が多い家=明るくて住みやすい家」では決してないのです。

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