新築一戸建て・注文住宅・リノベーション・中庭のある家・二世帯住宅・狭小住宅・ガレージハウス・平屋・別荘・土地探しからの住まいづくり
東京都練馬区の設計事務所(最寄駅:西武池袋線 石神井公園駅)
Miura Architect Atelier
唯一無二の住まいづくり
一級建築士事務所
三浦尚人建築設計工房
コートハウス<中庭のある家>のススメ
◆コートハウスとは?
コートハウスとは建築物や塀、壁などで囲まれた中庭のある住宅のことです。
平面(プラン)的には、主なタイプとして
・ロの字型プラン
・コの字型プラン
・Lの字型プラン
などと呼ばれているものがあります。(※中庭のことを、「コート」または「パティオ」と言います。)
◆庭が軽視されている現状
日頃、住宅地を歩いていると、それぞれの家には必ずと言っていいほど「庭」があります。
ただ、その庭は家が建った残りの敷地と思わざるを得ないようなものがほとんどで、だいたい道路側に面しているか、または敷地の南側にあります。
特に敷地が南道路に面している家だと道路側に庭があり、道路を通る人々からは庭がほとんど丸見えの状態で干された洗濯物が目に入り、庭に面した1階リビングらしきスペースの窓はすべて日中にもかかわらずレースのカーテンで閉じられていることが多い気がします。
このような状況をいくつも目の当たりにするたびに「外部空間である庭が軽視されている」といつも思ってしまいます。
◆住宅地における外部空間
一般的な住宅地の場合、建ぺい率は50%前後なので敷地面積のおよそ半分程度は建築物を建てられないことになります。
もちろん、自家用車を所有しているケースが多いので車庫スペースは必要不可欠であろうし、そのほかバイクや自転車の駐車スペースも必要となる場合も多いでしょう。
民法上敷地境界ギリギリまで建築物を建てることは難しいので、残りの敷地をすべて庭にするわけにはいきませんが、そういう状況でもまず建築物ありきで、余った空間を庭とするような消極的な外部空間はなんとももったいない気がします。
◆建物と外部空間のバランス
とはいうものの、限られた予算の範囲内ではやはり建物本体にお金をかけたいであろうし、どうしても庭を含む外構部分は蔑ろにされてしまい、費やすお金を削ってしまいがちです。
けれども、
<住まいというものは建物単独で成り立つのではなく、敷地全体で成り立つもの>
である、と私は考えます。
◆外部空間を取り入れた住まい
もっと自分達の敷地全体を最大限活用して、積極的に外部空間を取り入れた住まいはできないだろうか?
この問いに対する答えとして、私は「コートハウス(中庭のある家)」を提案したいと思います。
◆コートハウスのメリット(利点)は?
中庭は外部に対して閉鎖的な空間であるため、外部からの視線を遮ることが出来て防犯(セキュリティ)上のメリットがありますし、さらにプライバシーを確保してプライベートな半屋外の空間として利用が可能なので、住まいの内部と外部とが一体となって広く感じられます。
また、中庭は土のままにする場合もあるが、たいていは木製のデッキ敷きやタイル、石貼りやモルタル仕上げなどにして植栽することが多いです。
そして植栽の種類も庭の位置(方位)によって常緑樹や落葉樹とを使い分けて配置します。
さらに中庭に面して設けられた開口部を介して採光や通風を確保できるため、中庭を通して明るく開放的な住まいが実現できるといった利点もあります。
つまり、中庭という外部空間を内部空間と同じレベルで意識的に作った「内部空間の延長」という考え方です。
中庭は植栽を眺めるだけでなく、イスやテーブルを置いて読書をしたりお茶を飲んだりと、生活の一部として活用できます。
さらにコートハウスが優れていると感じることのひとつに
「家の中にいながら自分の家を見ることができる」
という点が挙げられます。
中庭を囲むように建築物が建っているので、一般的な住宅よりも距離感、奥行き感があります。
対角線としての空間の広がりがあり、中庭を介して空間から空間、つまり室内に居ながら自分の家を眺めることができるなんて素敵なことではないですか?
◆コートハウスのデメリット(欠点)は?
しかし、メリットだけではありません。
コートハウスのデメリットについて言いますと、コートハウスは中庭を囲むようなL字型、コの字型、ロの字型などといった凹凸のプランであるため塀を含めた外壁面積が多くなり、その分建設コストが高くなります。
中庭部分の床(木製デッキ敷き、タイル貼りなど)と樹木などといった外構工事費が住宅本体工事費とは別にかかる点と、住まわれてから中庭部分の床のメンテナンスや樹木の剪定などが定期的なお手入れ必要となります。
中庭に面する窓(サッシ)は採光や通風を確保するために大きくなるので、ガラス拭きなどの日頃のお手入れも多少たいへんかも知れません。
◆住宅地におけるひとつの<住まいのかたち>
それでも私どもは、中庭のある家、つまりコートハウスは住宅地におけるひとつの有効な住まい方だと考えます。
*下記は、今までに設計監理をしたコートハウスの事例です。
サムネイルをクリックすると外観と内観の写真がご覧になれますので、是非ご覧ください。