設計事務所(建築家)が考える「良い庭」とは何か
- miura-archi
- 5月18日
- 読了時間: 4分
更新日:5月19日
これは一般的な「広い庭」「映える庭」とは少し違います。
設計事務所や建築家にとって庭は、“余った外部空間”ではなく、「建築の一部」です。
つまり、
*家
*窓
*光
*風
*視線
*動線
*季節
と一体で考えます。良い庭は、単独では成立しません。
# 設計事務所がまず考えること
最初に考えるのは、「どこに居場所をつくるか」です。
つまり、
*眺める庭
*通り抜ける庭
*過ごす庭
*光を入れる庭
*風を通す庭
を整理します。庭=芝生ではありません。
1. 「庭をどこから見るか」が重要
実はこれが最重要です。
例えば、ダイニングから見る、ソファから見る、キッチンから見る、浴室から見る、廊下から見るで、庭の役割が変わります。
設計事務所は、「どこに座った時、 何が見えるか」をかなり細かく考えています。
2. 庭は“広さ”より“関係性”
これはとても重要で、例えば、3坪でも気持ち良い庭や20坪でも使わない庭があります。
違いは、室内とのつながりです。
例えば、床高さを揃える、軒を出す、デッキをつなげる、大開口にすると、室内が外に広がって感じます。
3. 「余白」がある庭
設計事務所は、全部を作り込みすぎません。
例えば、何もないスペース、砂利、土、木を一本だけの場合もあります。
理由は、“想像できる余地”がある方が、豊かだからです。
子どもが遊んだり、椅子を置いたり、季節で使い方が変わる。
これが良い庭です。
4. 光をつくる庭
庭は景観だけではなく、光を建物に入れる装置でもあります。
例えば、中庭、光庭、坪庭
など。
特に住宅密集地では、庭が「採光装置」になります。
5. 風を通す庭
意外と重要なのが、設計事務所は、「どこから風が来るか?」や「どこへ抜けるか?」
をかなり見ています。
風が抜ける庭は、体感が全然違います。
特に、北南方向、対角線方向の抜けが重要です。
6. “視線を切る”庭
設計事務所住宅ではかなり重要視しています。
例えば、植栽、塀、レベル差、壁、木
を使い、「閉じずに守る」ことを考えます。
完全に隠すのではなく、空は見える、緑は見える、人だけ隠すという設計をします。
7. 「使う庭」より「感じる庭」
これは設計事務所(建築家)っぽい考え方です。
例えば、木漏れ日、雨音、葉の揺れ、季節の変化、朝の光など。
つまり、“体験”を重視します。
8. 庭は室内を豊かにするためにある
ここが核心です。
良い庭は、外だけを良くするのではなく、 室内を豊かにする役割があります。
例えば、視線が抜ける、空が見える、緑が映る、奥行きが出ることで、家全体が広く感じます。
# 設計事務所(建築家)が好む庭の特徴
よくあるのは、南庭、中庭(コートハウス)、雑木の庭、半屋外空間、軒下空間です。
特に「内と外の境界を曖昧にする」設計を好みます。
# よくある“もったいない庭”
これは非常に多いのですが、
1. ただ広いだけ → 使われなくなる。
2. 道路から丸見え → 結局出なくなる。
3. メンテが大変すぎる → 負担になる。
4. 室内とつながっていない → 孤立する。
5. 日陰すぎる → 湿気や苔問題。
# 設計事務所がよく使う庭の手法は、
1. デッキでつなぐ → 室内延長に見せる。
2. 軒を深くする → 半屋外(半外部)をつくる。
3. 植栽を一点集中する → 全部植えない。
4. 中庭を囲う → プライバシー確保。
5. 借景を使う → 遠景を取り込む。
# 「良い庭」の本質
結局、設計事務所が考える良い庭は、“庭単体”ではなく、「暮らしの背景」です。
つまり、朝コーヒー飲む、子どもが遊ぶ、風を感じる、空を見る、雨を眺める、夜に涼む
そういう時間を生むもの。
# 実は庭は「贅沢」ではない
設計事務所では、庭は単なるオプションではなく、“住み心地を作る装置”として考えることが多いです。
大きな家より、小さくても光が入り、風が抜け緑が見える家の方が、豊かに感じることがあります。
これから土地探しするならおすすめは、土地を見る時に、「どこに庭をつくると気持ちいいか」を考えることです。
すると、<南道路信仰>や<整形地信仰>だけでは見えない、良い土地が見えてきます。

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